ブルマンボルトの概要
ブルマンボルトは、締めつけた際に相手鋼材に対して食い込みを発生させるため、ボルトの先端部に特殊な加工を施し、熱処理によりボルト表面の硬度を高めています。 優れた材料の使用と熱処理の最適化により高い表面硬さと靱性とを両立し、優れた強度と耐久性を確保しています。
ブルマンボルトの特徴
- 日鐵ボルテン(株)にて製造されており、長年にわたる技術に蓄積により常に安定した品質の製品を供給しています。
- 材料には新日本製鐵(株)日鐵ボルテン(株)とにより研究、開発された高強度ボルト専用鋼材BOLLTEN 110NMが使用されています。
- 浸炭焼き入れ・焼き戻しすることにより耐摩耗性に優れ、靱性にも富んでいるため過酷な使用条件においても、くり返し使用が可能です。
- ベーキング(脱水素処理)が施されており、耐蝕性、耐遅れ破壊性に優れています。
表面硬さについて

図16はボルト先端部の断面を拡大した写真であり、黒い部分は浸炭層でその深さは0.4㎜~0.6㎜です。表面から内部までの硬度の分布を測定した結果が図17ですが、表面より1㎜付近までは、浸炭熱処理の効果により硬度が高くなっており、摩耗が発生してもこの範囲内であれば表面の硬さは維持されることを示しています。
ブルマンボルト単体での荷重試験

図18の要領でボルト単体のクランプ力試験を行った結果が図19です。このデータでは20tにて試験を中止していますが、クランプ力は充分に保持されており、試験後のボルト先端部に破損などは全く起こっていません。
ブルマンボルトの耐久性
ブルマンボルトの耐久性を確認するために、ブルマン社では図17の要領で、98kNの荷重を同一のボルトにくり返し50回加えた時の変位量を測定する試験を行っていますが、試験終了後でもボルト先端部に破損などは発生していません。図20のグラフはその結果の内、最初と最後10回ずつの結果の平均を荷重毎に比較したものですが、試験回数の進行に伴った変位量の異常な増加はどの荷重においても見られません。これらの試験の結果より、ブルマンボルトは強度、耐久性に優れ、常に安定したクランプ力を発揮することがわかりますが、このことは技術的な面からも裏付けられており、ブルマンボルトの高い信頼性を示すものであります。
ブルマンボルト(M24 X 65)の仕様
材質 | 熱処理 | 表面処理 | ボルト径S | A | B | C | D | 自重 |
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BOLTEN 110NM | 浸炭焼入 | Ep-Fe/Zn 5/CM 1 | M24-P3 | 60 | 65 | 80 | 41 | 0.38Kg |
引張強さ | 最小引張荷重 | 硬さHRA(HRC) | クランプ力(トルク300N・m) |
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100~120kg/mm² | 345.9~414.5kN | 77(53)以上 | 196kN以上 |
新ブルマンボルトM24 の仕様
No. | L1 | L2 | L3 | 呼称・適用 |
---|---|---|---|---|
1 | 80 | 65 | 8以下 | M24*65:C型一般用 |
[特記事項]
- 記入なき寸法及び公差は、JIS B1186 によること
- 浸炭焼入焼戻 硬さ:HRA77以上、浸炭深さ:0.4~0.6mm
- 電気亜鉛メッキ、クロメート(無色) MFZnⅡ(5μ以上)
- ネジは転造ネジとし、リングゲージにて嵌合検査とする