疲労試験

ブルマン工法は、挟んで締め付けるだけで鋼材を接合できる画期的な工法ですが、開発当初には仮設構台などでの長期使用や重機の振動によるボルトの緩みなどが一時的に懸念されました。 しかし現在では、過去20年間数々の使用実績や各種疲労試験(振動試験)の結果などによりその信頼性が十分に実証されています。

ブルマンC-50型使用疲労実験

試験は図12のようにH形鋼にC-50型を使用してアングル材を接合しその上端に68.6kN、5ヘルツのくり返し荷重を加えて行いました。図13は試験結果をグラフにしたものです。くり返し数262万3,200回、変位量2.13㎜にて試験機の都合により試験を中止しましたが、締付トルクは試験開始前と全く変わらず、試験中及び試験後共ブルマン接合部に全く異常はみられませんでした。変位量は試験開始後すぐに2.11㎜となりますが、その後ほとんど変化はなく、試験終了時までに0.02㎜の変化しか示していません。 この結果からブルマン式接合は、くり返しの荷重に対しても緩むことなく耐力を発揮し続けることがわかります。

従来工法との疲労試験による比較

ブルマン接合のくり返し荷重に対する試験データを紹介しましたが、ここでは従来の接合方式とブルマン式接合とを、実際に疲労試験を行い比較したデータを紹介します。

表1.接合法別疲労試験結果
接合種別 接合方法 最大繰返回数 結果
①溶接接合 脚長8㎜X110 長すみ肉溶接
フランジ重合4隅接合
1119 溶接部破断
②ボルト接合 M22X65 中ボルト4本使用
196N・mで締付
141400 ボルト切断
③ブルマン接合 C-50型 4個使用
300N・mで締付
586932 加重受け部破損のため中止、
接合部に異常なし。
締付トルク変化なし

試験は、作業構台などにおける上桁と下桁の接合部のH形鋼同士の重なり部分を従来工法(溶接、ボルト接合)とブルマン工法とで接合(図14参照)し、これにくり返し荷重(88.2kN、1.5~4ヘルツ)を加えて行いました。その結果が表1ですが、溶接やボルト接合に比べて、ブルマン接合がはるかに良い結果となっています。図15に回数と変位量の関係をグラフ化したものを示しますが、変位量についてはどの接合法でも大差はありません。ブルマン接合についても回数の増加に伴う変化はわずかな量となっています。 この結果をみてもブルマン工法はくり返し荷重に対しても緩みを起こすことなく耐力を維持することは明らかでありますが、 さらに従来の工法と比較しても大きな優位性を持つことがわかります。